# DDoS攻撃とは何か?なぜ防ぐのが難しいのか
インターネットが日常生活やビジネスに欠かせない現代において、サイバー攻撃の脅威はますます深刻化しています。その中でも「DDoS攻撃(Distributed Denial of Service attack)」は、多くの企業やサービスに大きな影響を与える代表的な攻撃手法の一つです。本記事では、DDoS攻撃の基本的な仕組みから、なぜ防御が難しいのかについて初心者向けにわかりやすく解説します。
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## 1. DDoS攻撃とは?
DDoS攻撃とは「分散型サービス拒否攻撃(Distributed Denial of Service attack)」の略で、多数のコンピューターや機器を使って特定のサーバーやネットワークに大量のアクセスを集中させ、正常なサービス提供を妨害する攻撃のことです。
### サービス拒否攻撃(DoS攻撃)との違い
まずは「DoS攻撃(Denial of Service attack)」との違いを理解しましょう。DoS攻撃は単一のコンピューターやネットワークからサーバーに大量のリクエストを送り、サービスを停止させる攻撃です。一方、DDoS攻撃は複数の感染したコンピューター(ボット)を利用して同時に攻撃を行うため、攻撃の規模が大きく、検知や防御がより難しくなります。
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## 2. DDoS攻撃の仕組み
### ボットネットの利用
DDoS攻撃の特徴は、攻撃元が多数の機器に分散している点です。攻撃者はマルウェアを使って世界中のパソコンやIoT機器を不正に乗っ取り、これらを「ボット」と呼びます。こうして作られたボットの集合体が「ボットネット」です。
攻撃者はボットネットを遠隔操作して、一斉に対象サーバーへ大量のアクセスを送ります。これにより、サーバーの処理能力やネットワーク帯域が圧迫され、正規のユーザーがサービスを利用できなくなるのです。
### 攻撃の種類
DDoS攻撃には大きく分けて以下のような種類があります。
- **ネットワーク層攻撃**
大量のパケットを送信してネットワークの帯域を圧迫する攻撃。例としてはUDPフラッドやICMPフラッドがあります。
- **トランスポート層攻撃**
TCP接続を大量に確立させるなど、通信の管理を妨害する攻撃。SYNフラッド攻撃が代表的です。
- **アプリケーション層攻撃**
Webサーバーの処理を狙い、特定のリクエストを繰り返し送る攻撃。HTTPフラッドとも呼ばれます。
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## 3. なぜDDoS攻撃の防御が難しいのか?
### 攻撃元が分散しているため特定が困難
DDoS攻撃はボットネットを使うため、攻撃元は世界中に散らばっています。攻撃に使われている機器は一般ユーザーのものだったり、企業のIoT機器だったりするため、どのIPアドレスが攻撃元なのか特定しにくいのが大きな課題です。
### 正常な通信と攻撃トラフィックの区別が難しい
攻撃は大量のリクエストを送るため、一見すると通常のアクセスと区別がつきにくいことがあります。特にアプリケーション層攻撃は、見た目上は正規のユーザーがアクセスしているように見えるため、誤って正規ユーザーのアクセスを遮断してしまうリスクもあります。
### 攻撃規模の拡大
ボットネットの規模が大きくなるほど攻撃の威力も増し、防御のために必要なネットワーク帯域やサーバーの処理能力も膨大になります。攻撃規模が防御能力を上回ると、どんなに対策をしてもサービス停止に追い込まれる可能性があります。
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## 4. DDoS攻撃の防御方法
### トラフィックの監視と異常検知
ネットワークトラフィックを常に監視し、通常のアクセスパターンと異なる大量のアクセスを早期に検知することが重要です。異常を検知したら速やかに対応策を講じることで被害を最小限に抑えられます。
### ファイアウォールやIPS/IDSの設置
ファイアウォールや侵入防止システム(IPS)、侵入検知システム(IDS)を利用して、不審なアクセスをブロックすることが有効です。ただしこれだけでは大規模なDDoS攻撃を完全に防ぐことは難しいため、他の対策と組み合わせる必要があります。
### CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の活用
CDNは世界中に分散したサーバーを使ってコンテンツ配信を行うサービスです。DDoS攻撃のトラフィックを分散させることで、特定のサーバーへの負荷を軽減し、攻撃の影響を低減できます。
### 専用のDDoS対策サービスの導入
クラウドベースのDDoS防御サービスは、大量のトラフィックを吸収・分析し、攻撃と正常な通信を識別して攻撃を遮断します。これにより、企業は自社のリソースを圧迫されることなくサービスを継続できます。
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## 5. まとめ
DDoS攻撃は、多数の機器を利用して標的のサービスを停止させる攻撃手法であり、その分散性と攻撃規模の大きさから防御が非常に難しいという特徴があります。ネットワークの監視や防御機器の活用、CDNや専用サービスの導入など多層的な対策が求められます。
インターネットサービスを提供する企業や運営者は、DDoS攻撃の仕組みを理解し、攻撃を早期に検知・防御できる体制を整えることが重要です。初心者の方も今回の内容を参考に、DDoS攻撃への理解を深めていただければ幸いです。